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海外向けコンテンツ制作における重要ポイント(一)

2022年9月9日| マイケル・フーバー| 時間目安:3分

アジェンダ

〇 “Content is King”* コンテンツの重要性は今も昔も変わらない
〇 成功の秘訣:ターゲットに語りかける前に、ターゲットを知ること
〇 海外向けコンテンツ制作で力を発揮するネイティブチーム:質の高いコンテンツを日本国内で制作方法

“Content is King”コンテンツの重要性は今も昔も変わらない

「コンテンツの質が最も大事だ」ということは今も昔も変わりません。そして、このデジタル時代においてはKingのパートナーであるQueenの役割を果たすのが「コンテンツの配信方法」です。情報が溢れているデジタル時代において、質の高いコンテンツはこれまで以上に重要となっています。コンテンツはオーディエンスと関わるきっかけとなり、ブランド定義にも繋がり、検索ランキングを上げ、最終的にはビジネスを成功させるほどの力を持っています。今回の記事では、主に海外にいるオーディエンス向けの効果的でインパクトあるコンテンツ制作のポイントをお伝えしていきます!

まず、コンテンツとは何を指すのか?動画、Webサイト内の情報、SNS、プレスリリース、出版物など、あらゆるコミュニケーションツールのことを「コンテンツ」と定義します。よって、コンテンツの種類は数え切れないほど存在しています。

コンテンツ制作担当に任命され、どのようにコンテンツ制作を進めれば良いのか分からず苦労したという話を耳にします。それも、海外向けコンテンツ制作となると、ターゲット地域の文化や海外市場を理解する必要もあり、チーム内に外国人がいない場合はさらに苦戦します。このような状況を避けるためにも、ターゲット地域に熟知したパートナーの存在が重要となります。

本記事と次回の2回に分けて、「海外向けコンテンツ制作のポイント」を見ていきましょう。

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成功の秘訣:ターゲットに語りかける前に、ターゲットを知ること

企業が成長し続けるためには、海外進出が検討されるのが当たり前の時代となりました。しかし、海外進出に向けては「どこから何を始めたら良いのか分からない」、「海外向けコンテンツをどのように制作すれば良いのか分からない」、という声も少なくありません。私自身も、かつてフォーチュン500社の日本企業と何十年も仕事をしてきて、同じような課題に直面し、頭を抱えた企業を数多く見てきました。

多くの日本企業は、国内向けに制作したコンテンツをそのまま翻訳し、海外のオーディエンスに向け発信しています。しかし、このようにただ「翻訳された」コンテンツは逆に理解しにくい内容となり、あまり洗練されたプロフェッショナルな印象を与えません。

では、どうすれば良いのか?日本特有の価値観や文化的背景を含む内容は単なる「翻訳」ではなく、「トランスクリエーション」される必要があります。トランスクリエーションとは、原文のコンセプト、詳細に至る内容、そこに含まれる文化的背景までを理解した上で、対象地域の言語にうまく変換していく作業のことを指します。対象地域の言語をネイティブとするコピーライターが仕上げる文章には不自然さもなく、オーディエンスの心を掴み、新たなビジネスへと発展させます。つまり、ターゲットを知ることで、より効果的なコンテンツ制作が可能となります。また、対象地域によって好まれるフォントや色使い、レイアウトなどのデザイン面でも、トランスクリエーションは重要となります。コンテンツの配信方法も対象地域に合わせて、最もマッチするプラットフォームを選ぶ必要があります。

ポイント1
・日本特有の価値観や文化的背景まで翻訳されるとは限らない
・海外向けコンテンツはトランスクリエーションされる必要がある
・フォントや色使い、レイアウトなどのデザインも対象地域の文化に合わせる
・コンテンツの配信方法も慎重に選ぶべき

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海外向けコンテンツ制作で力を発揮するネイティブチーム:質の高いコンテンツを日本国内で制作方法

前章で述べた通り、コンテンツを発信する際にはターゲットを知り、ターゲットに語りかけることは不可欠であり、分かりやすく言えば「郷に入れば郷に従え」ということです。コンテンツ制作者は自社のサービスや製品をどのように魅せていくか、コンセプト開発を任されることもあります。その時には、料理を皿に綺麗に盛り付けるのと同じように、ターゲットの好むスタイルでコンテンツを提示することが求められます。つまり、「メッセージの中身=メイン料理」を「どう体験してもらうか」が重要となり、それを作り上げることが成功の秘訣となります。

日本企業は「何」を伝えるべきかを理解していますが、それを洗練された形で海外のオーディエンスに向け伝え、魅せる方法をより理解する必要があると感じています。日本人のみで構成された制作チームが手掛けた海外向けの広告は、海外オーディエンスにとって内容は伝わるものの、どこか不自然さが残ったりすることをよく見かけます。これを回避するためには、ネイティブな外国人が加わった制作チームを構成することが重要となります。

ポイント2
・質の高いコンテンツとは「メッセージの中身」を作るだけでなく、「どのように体験してもらうか」も考慮すること
・海外向けコンテンツの制作にはネイティブな外国人が加わった制作チームやパートナーが必要

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まとめ

今回は海外向けコンテンツを制作する際のポイントに焦点を当てて紹介しました。次回は海外向けコンテンツの制作に関わるプロジェクトメンバーやそれぞれの役割について解説していきます。

*1970年代にとある雑誌内で誕生したフレーズなのですが、その後ビルゲイツがビジネス会議で同フレーズを使用したことにより知名度が一気に上がりました。

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筆者プロフィール

マイケル・フーバー
UBIQ株式会社 共同設立者/マネージングディレクター
早稲田大学院で日本史を学ぶ。その後、25年以上にわたり異文化間コミュニケーションの指導や講演活動を行ってきました。さまざまな立場からグローバルコミュニケーションのマネジメントに携わり、日本を代表するフォーチュン500社のクライント向けにサービスを提供しています。UBIQ株式会社は企業のブランド管理、コンテンツ制作、海外進出アドバイスなどを行う広告代理店です。私生活では2001年から鎌倉の大仏のもとで暮らし始める。

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